AI(人工知能)には何ができて、どんなことが得意なのでしょうか?
これを知れば、AIを生活や仕事のパートナーとして活用できます。
それだけはありません。
AIが得意なことを知っていれば
「AIに奪われる仕事は何か」
これを知ることもできます。
この記事ではAIが得意なこと、できる仕事を具体的な事例を豊富につかって説明します。
「AIに仕事を奪われる人」
になるのではなく
「AIを使いこなす人」
になりたい方は、ぜひ記事を読んでください。
何かを見つけたり、判別する「画像識別」の仕事
AIは写真やカメラなどのデータから何かを見つけたり、判別する仕事が得意です。
このような能力は「画像識別」と呼ばれ、さまざまな業界で活用されています。
AIの「画像識別」の能力をつかった事例を紹介します。
人がマスクを着けているかを判断
新型コロナの影響で、利用者のマスク着用を義務付けている施設や店舗が増えています。
このような場合、人がお店や施設の入り口に立ち、入るひと全員のマスクをスタッフがチェックするのは大変です。
「人がマスクを着用しているかをチェックする」
このような仕事はAIの得意分野です。
AIならカメラなどに映る画像をみて、入店する人がマスクを着用しているかを瞬時にチェックできます。
そして、着用していない人がいたら音声等で通知することもできます。
新型コロナウイルス対策として「マスク着用判定AI」を無料提供開始
ユーザーローカルの「マスク着用判定AI」
引用元:株式会社ユーザーローカルのプレスリリース
声や音を聞き、分析する「音声認識」の仕事
AIはマイクなどから音声を聞き取り、内容を分析したりすることができます。
AIの「音声認識」の能力をつかった事例を紹介します。
動画に自動で字幕をつけるAI
オンライン授業やオンラインのイベントだと、話すひとの声が小さかったり、聞き取りにくいことがあります。
かといって、「もう一回お願いします」と伝えたり、授業等がおわったあとにもう一回動画を再生するのは手間です。
もし動画に「字幕(テロップ)」がついていたらどうでしょう。
わかりやすくなりますよね。
けれど、別の問題が発生します。
リアルタイムの書きおこしのような仕事を人に任すと、アルバイト料などが発生します。
それに、動画の書きおこしは普通の人にとってあまり愉快な仕事ではありません。
このような問題を解消するため、東芝はオンライン授業で先生の声にリアルタイムで字幕をつけてくれるAIを開発しています。
100%完璧ではありませんが、85%ほどの精度でテロップをつけれるそうです。
この技術をつかえば、youtuberなどもわざわざ手動で動画にテロップをつける必要がなくなり、動画制作がかなり楽になるはずです。
東芝、オンライン授業を自動で字幕化 85%の正確さ
通話内容を書き起こして要約するAI
電話していて、
「あれ?あの人なんて言ってたっけ?」
と、内容を忘れてしまったことはありませんか?
このようなことを防ぐために、電話の内容を書き起こしてくれるAIが活用されています。
MiiTel(ミーテル)というAIは、音声通話の内容をすべて書き起こしてくれます。
そして、通話の内容を見える化してくれます。
具体的には
- 会話のやりとりの回数
- 沈黙の回数
- 1秒あたりに話した文字の数
などがデータ化され、わかりやすいグラフ等で確認できます。
この仕組みは電話をつかった営業活動や、コールセンターなどで活用されています。
人と話したり、交流する「会話」の仕事
AIは
- (マイクなどで)音声を聞く
- 相手の会話の意図を理解する
- (会話に対して)適切な対応をする
などの一連の行動、いわゆる「会話」ができます。
AIの「会話」の能力をつかった事例を紹介します。
駅で接客し、質問に回答する「AIさくらさん」
2020年にオープンした、JR高輪ゲートウェイ駅には「AIさくらさん」というAIがいます。
「AIさくらさん」は、お客さんからの質問に対して返答することができます。
もちろん会話が成立するのは
- 乗り換えの情報
- 駅周辺の情報
などのような、ある程度限られた情報です。
それでも、混雑しているときは駅員さんをつかまえにくかったりするので、利用者は助かりますね。
定型の単純作業をする仕事
人は同じようなことをずっと繰り返していると、飽きます。
刺激が少ないので脳が飽きてしまうのです。
飽きるだけでなく、同じ作業をすると体が疲れます。
人は寝ずに24時間働くことはできません。
しかし、人工知能はプログラムですので「疲労」というものがありません。
寝る必要もないので、24時間365日動き続けることができます。
このような特徴があるので、人工知能は
- ルールが決まっている仕事
- 同じことを繰り返す仕事
などは大の得意です。
具体的にはどんな仕事が得意なのか、事例を紹介します。
宅配する荷物を自動で仕分けをするAI
ふつう、宅配物はひとつの場所に集められてから
- 形
- 重さ
- 壊れやすさ
などで分類、仕分けされてから郵送されます。
このような形や重さを判断して仕分けるのは、AIの得意分野です。
世界的な郵送会社の輸送会社FedEx(フェデックス)は、仕分けができるAIを導入しています。
仕組みとしては
- AIがセンサーで宅配物をどこに仕分けるか判断
- AIからの指示をうけたロボットが宅配物をつかんで仕分け
このふたつで成り立っています。
2020年にパソコン・スマホを知らずに仕事ができますか?
現代において
- パソコン
- スマホ
などの知識は、生活する上でとても役立ちます。
もしあなたがパソコンやスマホに何ができるか知らなかったら、いまやってる仕事ができますか?
これらの知識がなかったらパフォーマンスが著しく落ちるはずです。
AIにかんする知識も同じことです。
AIの分野で日本でおそらく最も有名な研究者である東大の松尾豊さんは
「今のディープラーニングの状況は、インターネットでいうとちょうど20年前の状況と似ていると思っている。今が1998年だと思ってもらえれば、グーグルはまだできたばかり。アマゾンもほとんど知られていなかった。フェイスブックは影も形もなかった時期なのだ。」
このように語っています。
1998年にインターネットを使えなくても、それほど仕事に影響はありませんでした。
しかし4年後の2002年、パソコンを使えない大人は会社の窓際族になりました。
AIに何ができるか、AIは何が得意かを知っていれば、時代に取り残されずに済みます。
もしAIを活用する能力があれば、AIを活用できない上司や同僚よりも高いパフォーマンスを発揮できます。
いまはAIを知るための勉強を、「やる」「やらない」で迷うような段階ではありません。
「やるしかない」
のではないでしょうか。