ロボットセラピーのカウンセラー・セラピストとは?

ロボットセラピーのカウンセラー・セラピスト

日本ではそれほど普及していませんが、欧米では身体障害や精神疾患の治療方法として動物を使った

「アニマルセラピー」

が普及しています。

競走馬を引退したサラブレッドがホースセラピーとして活用されるなど、近年は日本でも変化の兆しが見えていますが、動物を使ったセラピー・治療には具体的に

  • 孤独感の解消

  • 有酸素運動による心肺機能の強化

  • 筋力の向上

  • 血流の促進

など心身両面で良い効果があるとされています。

しかし、日本では健康保険が適用されないので治療費用が高額になるうえに

  • アニマルセラピストの数がそれほど多くない

  • 自宅での在宅治療が難しく、治療可能な場所も限られている

  • 動物アレルギーの患者さんには向かない

  • 動物のエサ代や鳴き声などによる騒音等の問題

  • 動物による噛みつきなどによる被害の可能性がゼロにはならない

  • 動物が寿命や病気で亡くなったことによる喪失感でペットロスになる可能性がある

などのデメリットもあります。

効果は確かにあるけれど、誰にでも効果的な治療方法という訳ではないことがわかります。

デメリットを補う方法として注目されているのがアニマルセラピーのロボット版とも呼べる

「ロボットセラピー」

です。

アニマルロボットを使うセラピーのメリット

動物の替わりにロボットを使ってセラピーを行うことにより

  • 電気で動くので電気代はかかるけれどエサ代はかからない

  • 使いたい時だけ電源を入れればよい

  • 定期的な清掃などの手間が動物より少なくて済むので衛生面で優れている

  • ロボットなので風邪や病気に感染しない

などのメリットがあります。

ロボットには人型・動物型がありますが、代表的な動物型ロボットには

  • AIBO(アイボ)

  • メンタルコミットロボ「パロ(PARO)」

などがあります。

二足歩行の人型ロボットには

  • pepper(ペッパー)

  • パルロ(palro)

  • Palmi(パルミー)

などがあります。

ただ、2018年2月現在、日本でセラピーとして利用されているのはアザラシ型のロボット「パロ(PARO)」のみのようです。

ちなみにアニマルセラピーは動物介在療法(Animal Assisted Therapy)とも呼ばれ、ロボットセラピーはロボットセラピーはロボット介在療法(Robot Assisted Therapy)とも呼ばれます。

ロボットセラピーのセラピストが未来の人気職業になる可能性

2018年現在、精神疾患の治療は投薬と対人カウンセリングを組み合わせた治療方法が一般的です。

しかし世界的に精神疾患と認定される患者数は増える一方なので、あらたな治療方法が必要とされてます。

TMS(うつ磁気刺激治療)などの比較的新しい治療方法も効果的とされていますが、普及しているとは言えない状況です。

このような状況なので、ロボットが精神疾患の治療に効果があるということが証明されれば、ロボットを使ったセラピーに関する専門知識や資格を持つセラピストの需要が高まり、

「ロボットセラピスト」

という職業が人気職種となる可能性があります。

既に医療や介護の現場で活躍しているパロは認知症に効果があるとされていますので、そう遠くない未来にロボットセラピストのような職業が生まれても全く不思議ではありません。

ロボットセラピストの仕事内容

ロボットによるセラピーが普及・体系化されていませんので、どのような仕事内容になるかはまだわかりません。

しかし、現在臨床心理士などが行っているカウンセリングとは被る仕事はあるでしょうが、かなり違う内容も出てくるのではないかと思います。

仕事内容としては

  • 患者の症状のヒアリング

  • 治療に適切なロボットの選択

  • ロボット購入・レンタルのアドバイス

  • 治療計画の策定

  • 経過を見ての効果測定

など、ソーシャルワーカー的な内容も入ってくるではないでしょうか。

ロボットセラピーの普及によって起きるであろう問題点

ロボットセラピーは効果が出れば効率面ではとても優れています。

よって、もし人間のカウンセラーよりもロボットの方が治療効果が高いとなれば臨床心理士や公認心理士などの有資格者の仕事が減り、それまで彼らが治療を担当していた患者がロボットに奪われる可能性があります。

カウンセリングの技術は職人技とも言われています。

しかし人工知能による会話能力の進歩などによって人と遜色無い、もしくはカウンセリングの技術が低い人よりはロボットの方が治療によって成果を上げられるとなればコスト面でロボットの方が優位性が出てくる可能性が高いです。

能力(治療効果)とコスト次第では患者を奪われる可能性が出てくるのではないでしょうか。