複業とは?複業のメリットとデメリット

複業とは

副業や内職がブーム的な勢いを持ってメディアに取り上げられたりハウツー本が出版されているなか

「複業(ふくぎょう)」

という言葉がメディアを賑わすようになっています。

これまで割と一般的だった

「副業」

はあくまでもメインの仕事を持っている会社員が主に会社の営業時間外でおこなう仕事やアルバイトのことです。

対して

「複業」

は複数の会社に役員・正社員・アルバイトとして所属・雇用される形態です。

核家族化や企業の寿命の変化によって

  • これからは複業の時代だ!

  • 複業は本当におすすめだ!

と勇ましく語っている方もネットでは数多くいます。

理由としては

  • 自由に、自分に合ったワークスタイルで働ける

  • 自分の人生をひとつの会社に依存しなくて済む

ということが魅力的だという論調が多いように感じます。

では、複業にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

複業のメリットについて

まずは副業のメリットについて考えていきます。

メリットその1. 複数の企業に所属するので同僚や取引先が増える

複数の企業に所属すれば必然的に同僚が増えます。

これにより、もし将来の起業を目指していたりする場合は能力的・性格的に信頼出来るパートナーを探しやすい環境になります。

各企業が取引する会社も異なりますので取引先の企業も増え、名刺交換できる相手も増えるでしょう。

メメリットその2. 複数の職種を経験できる可能性が高くなる

例えば営業の仕事に興味があるけど企業の経理にも興味があるとします。

ひとつの企業では営業としてバリバリ働き、もうひとつの企業で経理として働けば会計や財務の知識をつけながら営業としての実績を積み上げることができます。

もしひとつの企業に所属していたのなら部署異動でもしないと経験できなかった分野の実務経験を積むことができます。

良い組み合わせで違う職種の複業ができればスキル的に大きなシナジー効果が生まれるかもしれません。

複業のデリットについて

つぎは副業のデメリットについて考えていきます。

デメリットその1. すべての関係者と薄い関係しか築けない可能性が高まる

同僚や取引先の数が増えても、薄く浅い関係値しか築けないのならあまりメリットはありません。

長時間おなじ空間で時間を過ごしたり、大規模な仕事を取引先と連携しながらじっくり取り組むことによって出来上がっていく関係も社会にはあります。

複数の仕事をするけれど、それぞれが中途半端なコミットだと薄い関係しか作れない可能性が高くなります。

デメリットその2. ジェネラリストを目指したけど都合の良い人にしかなれない可能性も

人間の時間はみんな共通で1日24時間です。

体もひとつ、脳もひとつというのもみんな同じです。

そうなると必然的にひとつの仕事に取り組める時間は限られます。

眠る時間や休日を削っても人の倍の時間働くのは困難です。

先ほどの営業と経理を例にすると、超人的な努力で営業としても経理としても1人前になれる人もいると思いますが、超人的な努力か抜きん出た才能がないとその道のスペシャリストにはおそらく勝てません。

もし才能の質量と努力の質量が同じ相手と結果的に競争しなければならない状況になったら営業のスペシャリストには負け、経理のスペシャリストにも負けます。

確かに営業スキルと経理のスキルを両方とも持つことは素晴らしいことです。

しかし、もしどちらも1人前と呼べるレベルに達することができなかったら中途半端な人材になってしまうかもしれません。1)あくまでも「営業」と「経理」という親和性が低い業種を使った例ですのでご了承ください。

デメリットその3. そもそも複業してまで欲しいと思われる能力が無いと雇ってもらえない

企業に雇用される側としての複業に限定すると、企業に

「複業でもいいからこの人に働いて欲しい」

と思わせる魅力がないと成立しません。

実はこれが複業の大前提です。

複業でもいいから働いて欲しい人、というのはおそらくその業界内での知名度が高かったり、非常に高度なスキルを持つ人材だと思います。

そのような人材がもしひとつの企業に在籍していた場合、在籍先の会社の経営者は優秀な社員に対して複業を許可するでしょうか。

優秀な人材が複業によって時間的なコミットが減るのは経営者にとってとても辛いことです。

一般的な感覚の経営者は優秀な社員が複業をはじめることに対して

「人材流出の危機」

と感じるでしょう。

もちろんそれを見過ごすはずもなく、報酬アップで引きとめたり、流出を就業規則に手を加えたりすることを講じると思います。

経営者に複業に対する理解がなければ、複業をしたいと主張する被雇用者対複業を禁止する雇用者という構図になり、喧嘩別れしてしまうかもしれません。

複業を相談したのに結果的にもともといた会社を辞めることになったり、いづらくなったら意味がありません。

デメリットその4. うまく頭を切り替えなくと混乱してパフォーマンスが下がる

個人差があるとはいえ、人の脳は並行して物事を処理するのが苦手とされています。

もし複業している会社の両方が同じ決算期だったり、繁忙期が同じだったら必然的に仕事量が増えます。

そうなると多数の仕事を上手に処理しないといけません。

しかし人間なのでもし同じ日にふたつの会社で仕事をしたりする場合多少の混乱をきたすはずです。

対策としては月曜にはこの会社、火曜日はこの会社、という風に日によってタスクを完全に分離することが有効的です。

睡眠を機会にして頭を切り替える方法です。

とはいえどうしてもマルチタスクで進行しなくてはいけない状況になったら心身にかかる負荷は相当なものになるでしょう。

ブームだから・誰かがしているからというのでは複業失敗が目に見えている

複業について少し考えたら思いのほかデメリットが多くなりました。

個人的には複業はシェアリングエコノミーの一種で、もし個人に余剰な労働力があればそれを有効的に使うというのが最も現代の社会に適しているように思います。

その方法としては派遣やクラウドソーシングの仕組みが既にあります。

在宅勤務としては子育て中の女性を中心に「リモート勤務」を導入する企業のニュースが伝えられています。

複業を許可する企業側も就業規則の変更や、許可した時に起きる社内の変化に備える必要があります。

複業したいと考える人も

  • 自分の将来のキャリアを考えて、本当に複業にメリットがあるのか

  • 確定申告はどうするか(二以上事務所勤務・所属選択届けの提出等が必要)

  • 複業によって仕事にコミットできる時間が減り、収入が減ったらどうなるのか

などを真剣に考えなくてはいけません。

流行っているから、収入を増やしたいからという理由で複業を考えているのならその時点で難しいように思います。

本質的なところだと、自分の時間を切り売りしても高く買ってくれる企業があるくらいの能力・経験が必要でしょう。

減っていく労働力が分散されたら経済の減退につながりかねない

日本は少子高齢化の道を着実に進んでいます。

数十年先を考えると大企業でも日本人の採用が難しくなりかねません。

人の代替となるロボットの導入による労働・生産力の確保や、システム導入による効率化などによってどれくらいのアウトプットが確保できるかも未知数です。

複業による人的資源の分散が正しい選択なのかどうか、他にも複業導入によって人的資源を確保できる企業はどんな企業でどんな仕組みが必要か、などをじっくり考える必要がありそうです。

もし「複業」が経済全体にとって有効的なら導入されるでしょうし、ひと昔前に流行った「ノマドワーカー」のようにイメージや記号的な印象だけなら導入・定着しません。

働き方にこだわる人向けの転職サイトが登場

最初から複業という前提で雇用する企業がIT・通信関連企業で増えつつあります。

既存の新卒、中途、スカウト・ヘッドハンティング等とは異なるタイプの求人情報サイトなので興味がある方はのぞいてみてください。

脚注   [ + ]

1. あくまでも「営業」と「経理」という親和性が低い業種を使った例ですのでご了承ください。

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