心理系の資格で唯一の国家資格が
「公認心理師(こうにんしんりし)」
ですが、公認心理師はどのような仕事をするのでしょうか。
2018年2月現在、まだ公認心理師試験は実施されていません。
よって公認心理師の有資格者は0人です。
まだ誰も公認心理師として働いていませんので、将来はどのようになるか正確にはわかりません。
しかし、現在公表されている範囲でこうなるだろうという公認心理師の仕事内容をまとめます。
公認心理師の仕事内容
公認心理師の仕事内容というか業務内容は
公認心理師法案第二条 定義
にて定められています。((公認心理師法 – 衆議院から引用しました。))
この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。
一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。
よって基本的にはこの4つが公認心理師の仕事となります。
そして、この4つをわかりやすい言葉になおすと
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心理査定(アセスメント)
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心理面接(カウンセリング)
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関係者への面接
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メンタルヘルスに関する教育と情報の提供
となります。
臨床心理士との仕事内容の違いを比較
同じく心理系資格である臨床心理士の仕事内容と比べてみましょう。
臨床心理士の仕事内容は
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臨床心理査定(アセスメント)
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心理面接・カウンセリング
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臨床心理的地域援助・支援
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調査研究活動
この4つです。
「臨床心理的地域援助・支援」は公認心理師における
関係者への面接
とほぼ同じ意味です。
なので、異なるのは
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臨床心理士は「調査研究活動」
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公認心理師は「教育と情報の提供」
という箇所です。
ただ、これはあくまでも建前で、公認心理師だろうと臨床心理士だろうと、活躍する方は
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調査研究活動
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教育と情報の提供
のどちらも行うはずです。
よって仕事の内容については違いはあまりない、と考えていいかもしれません。
勤務先も臨床心理士と似ている
公認心理師は資格の名称です。
なので厳密には職業名ではありません。
おそらくですが、勤務先によって
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教育ではスクールカウンセラー
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医療の現場では心理カウンセラー
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企業では産業カウンセラー
のように肩書きというか呼ばれ方が変わるはずです。
勤務先はこれら以外にも様々な場所がありますが、おそらく臨床心理士がこれまで担っていた仕事とかなり被ることになるでしょう。
臨床心理士と大きな違いがでる可能性があるとしたら、医療機関での仕事の増加です。
これは、カウンセリングに健康保険が適用されるかどうかが大きく関わっています。
公認心理師のカウンセリングが健康保険適用になるかもしれない
まだ確かなことではありませんが、公認心理師によるカウンセリングが
「医療行為」
としてみなされる可能性があります。
医療行為であれば健康保険が適用されます。
実は臨床心理士によるカウンセリングは医療行為とはみなされておらず、健康保険の適用外でした。
もし医療行為となり健康保険が適用されたら、これまでより気軽にカウンセリングを受けれるようになります。
よって医療機関で公認心理師の採用が進むので、有資格者の勤務先は増加するではないか、と思います。