ホースセラピスト(乗馬療法士)が行うホースセラピーとは?

ホースセラピスト

ホースセラピーは正確には

ホース・アシステッド・セラピー(Horse Assisted Therapy:HAT:馬介在療法)

と呼ばれるアニマルセラピー(動物介在療法)の一種です。

1950年代にイギリスで発祥したとされていますが、古代ギリシャの戦争で傷ついた兵士のリハビリに効果的な治療法として活用されていたという説もあります。

この説が本当ならかなり歴史のある治療法となります。

戦争で受けた傷が原因にとなっておきた身体の障害が回復するだけでなく、トラウマなどの精神的な障害に対しても回復効果があるとされています。

ホースセラピーがヨーロッパ発のセラピー手法のせいか、フランスやドイツなど、国によっては健康保険の適用が可能となっているくらいです。

残念ながら日本においては「ホースセラピー」の知名度はひくく、健康保険の適用外となっています。

環境的にもホースセラピーが可能な乗馬施設の数が少なかったり、そもそも乗馬経験がある人が少ないせいか、普及しているとはいえない状況です。

しかし、中央競馬会(JRA)で数々の名馬を育てリーディングトレーナーになった実績がある角居勝彦調教師が障がい者乗馬・ホースセラピーの普及活動を開始するなど、知名度向上や保険適用のための活動をしている人たちが日本中に存在します。

なぜホースセラピーは心身の障害回復に効果があるのか

なぜホースセラピーは心身によい効果があるのでしょうか。

身体面で言うと乗馬用の鞍を付けた馬の上にまたがり、自分で手綱(たづな)を握って体のバランスを取りながら馬を歩かせるだけで有酸素運動になるとされています。

体のバランスをとるのに腹筋をかなり使い、さらに姿勢を維持するのに体幹部分の筋肉も使用するので普段中々使わない部分の筋肉を使用して、筋力低下を予防します。

さらに、歩くと左右前後上下に揺れる馬の振動を体で受け止めることによって体全体の血流が良くなり、筋肉の緊張がやわらぐ効果もあると言われています。

精神面でいうと、ホースセラピーでは手綱や足をつかって騎乗している馬に自分の意思を伝えます(ここで足の筋肉も使います)。

言葉をつかって話しかけることもありますし、動きと言葉で自分の意思を伝えることによって馬との交流が生まれ、感情面が活性化されます。

さらに馬に乗ることによって普段の目線より高い位置になり、馬の操作やバランスをとることに集中し、風を受けながら歩くことができるのでストレス解消に良いとされています。

ホースセラピスト

馬の世話からも学べる

ホースセラピーは馬に乗るだけではありません。

もし肉体・精神的に可能な状態ならという条件がつきますが、馬の世話(餌やり・馬房の掃除・馬の手入れ)をしながらさらに馬との交流を深めることができます。

言葉を発することができない馬が何を求めているか、などを想像しながら交流することによって他人を思いやることができるようになれます。

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ホースセラピーが良い影響を与えるとされる病気・症状一覧

ホースセラピーが良い影響を与えるとされる病気・症状をまとめます。

  • 意欲の向上

  • 自信・自己肯定感の向上

  • 馬やセラピストと関わることによる人格形成

  • ストレス・孤独感の解消

  • 身体機能回復・体力筋力向上

ホースセラピーに関わる資格の取得方法

民間資格というか、

「NPO法人 ホース・フレンズ事務局」

が開いている認定ホースセラピスト養成講座を受講したりテストに合格するとNPO法人 ホース・フレンズ事務局のボランティアとして参加する資格や事務局スタッフに応募する資格を得ることができます。

ただし、あくまでもNPO法人 ホース・フレンズ事務局内で通用する資格なので他団体や医療機関からどのように評価されるかはその人次第となります。

関連性のたかい資格として障害者乗馬インストラクターがありますが、こちらも日本で統一された資格ではありません。

日本乗馬療育インストラクター養成学校という専門の学校がありましたが2006年に閉鎖されてしまったようです。

しかし、海外には

などの学校があり、乗馬療法を学ぶことができます。

RDAに関しては、日本国内において英国RDAに認定された活動をしている団体「RDAJapan」「RDA Japan」があり、講習会なども定期的に開催されています。

こちらでRDA認定の障がい者乗馬のインストラクター資格が取得可能です。

詳しくはホームページで調べてください。

・障がい者乗馬 RDA Japan (アールディーエージャパン)

http://rdajapan.or.jp/

理学療法士や社会福祉士として関わる方法もある

ホースセラピーにはホースセラピストとして関わるだけでなく、

  • 作業療法士

  • 社会福祉士

として施設でホースセラピストをサポートする仕事もあります。

これらの資格保有者はまずはセラピストとして働くのではなくて、セラピストの仕事の現場を見ながら知識をつけていくのもよいかもしれません。

ホースセラピストの就職先・求人や仕事内容

ホースセラピストの就職先はホースセラピーを実施している乗馬施設となります。

乗馬施設は日本全国にありますが、ホースセラピーを実施している施設は限られますので就職先も限定されます。

求人はまちまちですし、タイミングによっては正社員ではなくアルバイトの募集しかないこともありえます。

仕事内容もホースセラピーだけをするのではなく、

  • ホースセラピー用の馬の調教

  • 馬の世話(掃除・餌やり等)

  • 事務作業

  • 受付などの運営対応

などの業務を兼任することがほとんどですので、治療行為だけに専念するのは難しいでしょう。

乗馬施設や牧場によって求める経験・治療方法・仕事内容が違うので、ひとつひとつの求人をしっかり確認して求人に応募するとミスマッチを予防することができます。

ホースセラピストの給料について

ホースセラピーが医療行為ではなくて保険適用外である上にNPO団体が実施しているケースが多いせいか、日本でのホースセラピストの給料は高いと言える水準ではありません。

ホースセラピーが治療方法として普及したり、医療行為としての効果が認められることがあれば劇的に環境が変わる可能性がありますが、給料面での大きな変化を期待するのは難しいかもしれません。

ホースセラピストに関連する書籍一覧

ホースセラピーに関連する団体へのリンク一覧

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