AI(人工知能)による融資審査が融資担当者などの職業に与える影響

AIによる融資

AI(人工知能)にかんするニュースがここ数年ふえています。

じっさいに導入された事例なども増えています。

人工知能の影響はお金にたずさわる人に対しても影響を与えています。

学生の就職先として人気のある銀行員としての仕事のひとつ

「銀行の融資担当者」

はオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が発表した

The Future of Employment(邦訳:未来の雇用)

において無くなる職業として名指しされました。

オズボーン准教授の論文は2013年9月に発表されたものです。

IT業界は

「ドッグ・イヤー」

とよばれており、犬の成長とおなじくらい進化が早いとされています。

ではAIを使った融資審査はどのような職業・職種に影響をあたえるのでしょうか。

仕事にたいしての影響を考えるまえに、かんたんにAI融資の仕組みを説明しておきます。

AI融資の仕組みについて

AI(人工知能)による融資では、たいせつなのはデータです。

AIがたくさんのデータを読み取り、融資の条件(総額・利率)や「融資するか・しないか」をきめます。

これまでは人の担当者が融資先の

  • 融資先(社長や担当者)の人柄

  • 業績・実績・お金の流れ

  • 将来性

などをみて、総合的に判断してきました。

企業への融資などでは対面での面接などもおこなわれていました。

しかし、AI融資の場合は判断基準となるのはデータです。

だいじな判断はデータによって決まります。

融資をする企業がAI融資を導入するメリット

なぜ融資をする企業はAIを導入するのでしょうか。

AIに融資審査をまかせると

  • データにもとづいて客観的に判断できる

  • 最新のデータをかんたんに共有できる

  • 人による判断ミスをなくせる

  • 人による不正行為をなくせる

  • 担当者の仕事が減らせる

などのメリットがあります。

融資のさい担当者が判断するのは

「返済能力があるかないか」

です。

AIに判断をまかせばデータをもとに客観的に審査し、返済能力を判定してくれるのです。

データを保有する企業がAI融資をできる

AI融資でたいせつなのはデータです。

なので

  • データを持っている

  • データを渡してもいいと思うくらい信頼度・知名度が高い

という条件をみたし、なおかつAIの技術をもっている企業がAI融資を可能となります。

2017年現在この分野に参入している企業をみても

  • リクルート

  • ソフトバンク

  • みずほ銀行

  • オリックス

このように、信頼できるおおきな企業ばかりです。

審査ではデータが大事

AI融資が影響を与えそうな職業や仕事

ここからはAI融資が人の職業や仕事にどんな影響をあたえるか考えていきます。

ただ、公表はされていないだけで融資や審査系の仕事はすでにAIが担当している可能性があります。

会社の担当者すら知らないところで、だいじな決定はすでに人工知能に任されているかもしれません。

消費者金融の融資の審査担当者

消費者金融は個人にたいしてお金を融資してくれます。

人がいるお店もありますし、無人店舗もあります。

テレビCMなどの広告をばんばんうつ会社が多いので、大手消費者金融の名前をきいたことがある人はたくさんいると思います。

そんな大手消費者金融に対抗しようと

ソフトバンクとみずほ銀行は合同で

J.Score(ジェイスコア)

という会社を2016年につくりました。

J.Scoreは

「AIスコア・レンディング」

が売りのサービスです。

ネットですべて完結し、店舗はありません。

ジェイスコア

信用力を数値化してくれる

J.Score(ジェイスコア)のサービスについてはくわしく説明しませんが、J.Scoreは

  • これまでの融資審査でも使われていたような情報(年齢・収入など)と

  • ライフスタイルにかんする情報

を組み合わせたデータをAIが審査し、お金を借りたい人の信用力を数字にしてくれます。

信用力が数字として可視化される

この数字(スコア)がスコア・レンディングという名称の由来となっています。

スコア・レンディングでは信用力をあらわす数字がたかいほど

  • お金を借りれる額が高くなり

  • 金利は低くなる

という傾向があります。

無店舗による低コストのサービスということもあってか、有名な消費者金融より金利は低めに設定されることが多いようです。

融資担当者にはどんな影響があるか

これまで消費者金融では融資の判断は支店の店長など、それなりに地位のたかい熟練者が決定するのが普通でした。

ですが、担当者が人間だと

  • 疲れたりお腹がすくと集中力が落ちる

  • 体調がわるいと判断力が落ちる

  • 体調をくずして不在になることがある

  • そのときの気分や情緒によって判断基準がかわる

  • 判断に時間がかかり、1日に判断できる量にかぎりがある

  • 人間なので主観があり、客観的な判断がむずかしい

などのデメリットがあります。

判断をまちがえば機会をのがしたり、利益が減るようなこともありえます。

しかし、AIが融資の判断をすると

  • 疲れない

  • 電気があれば活動する

  • 情報から公平に判断できる

  • 判断するのに時間がかからない

  • 何回でも情報を処理できる

というメリットがあります。

AIは疲れたり、食事をとったりしません。

このように、人と比べると優れた点がおおく、1日のうちに何回も正しい判断を求められる状況なら人より的確な判断ができそうです。

よって融資を判断する責任者の仕事はなくなるかもしれません。

ただ、

  • エラーがおきていないかの確認

  • 1,000万円以上の大きな額の融資の最終確認

などの仕事は人による大事な仕事として残るかもしれません。

銀行の企業向け融資の審査担当者

企業向けの融資は銀行にとってだいじな仕事です。

企業側も銀行から融資をうけ、それをうまくつかって事業を拡大させてきたという日本の産業の歴史があります。

しかし、AIによる融資は企業への融資を変えつつあります。

結論をさきに言うと、これからは銀行以外の会社から融資をうける企業や事業主が増えそうです。

AI審査によるオンライン融資の影響

  • オンライン融資

  • トランザクション・レンディング

という形式の融資方法がふえています。

これらは自社のプラットフォームを利用してくれている企業や人にたいしての融資方法で、プラットフォーム運営会社が確認できる取引情報をもとに融資判断をする融資事業のことです。

リクルートの「Partnersローン」というサービスを具体例としてつかいます。

リクルートは旅行予約サイト「じゃらん」を運営しています。

じゃらんには旅館やホテルにたいしての宿泊客の予約データが蓄積されています。

そして、旅館やホテルへの融資の審査にデータをつかいます。

宿泊予約サイトを運営して得られた特定のホテル・旅館への

  • 予約数

  • 予約の単価

  • 最近の予約数の変化

などのデータををもとに返済能力をただしく判定します。

そして返済可能である適切な条件で融資してくれます。

融資判断は自社のデータでできますし、借りる側も資料をつくったりする必要がありません。

じゃらん

これまで金融事業をしていなかった会社も金融事業に参入する

たくさんのデータを保有していることは、いまの時代ではおおきな強みになります。

リクルートのようなオンライン融資をおこなう会社はどんどん増えていくでしょう。

このようなネット上でのデータをもとに融資をおこなう企業がふえれば銀行も融資先がへります。

これは業績には悪影響をあたえます。

審査担当者という小さな部分だけでなく、銀行自体にもオンライン融資は影響をあたえるのです。

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